TKeN's Blog - 大学編入記ブログ

おもに高専からの大学編入体験記を書いていきます.

[傾向と対策]東京工業大学の傾向と対策

全体

試験科目

数学・英語・物理・化学の4科目.

傾斜配点はなく,それぞれ100点満点.

志望学科によらず,受験者全員が同じ試験を受ける.つまり,非化学系を受験する人も大学レベルの化学を受験しなければならない.

制御工学や材料力学などの専門科目が出題されず,4科目さえ勉強しておけば学科によらず編入志望先を決定できるため,転学科を志望する人やまだ学科をはっきり決定できてない人にはいい点だと思う.

 

倍率

倍率は3倍ちょっと.

毎年,だいたい30/100が合格する.

だが,実際受験して思ったのは記念受験者がある程度いるということ.化学のときに寝てる奴もちらほらいた.よって,実質倍率はもう少し下がると思われる.

 

合格ライン

全体で試験の点数が高い順に上から30人をとっていると思われる.

また,東工大編入試験には”6割ボーダー説”というものがあり,4科目400点満点中240点あたりが合格ラインと言われている.だから,数・物・英でそれぞれ8割とれば,化学白紙でも受からないこともないが,化学はやればとれる科目なので捨てるともったいない.が,このボーダー制はあくまで噂なので,参考程度に(個人的には上位30人合格説の方が濃厚かと思う).

 

全体の傾向

東工大の試験は,年によって各教科ごとに難易度が変化するが,全体では一定の難易度であると思われる.例えば,”数学が難化した年には物理が易化する”みたいな感じ.

全体的に,学部入試のような鬼畜な難易度ではなく,対策すればちゃんととれる試験.

全体としての対策・戦略

東工大受験でカギとなる科目は,ズバリ化学と英語であると考える.

理由としては以下の4点:

  • 数学は簡単で,物理はみんなやってきているから,この2教科は差がつきにくい.
  • 化学は非化学系出身者は独学になるため,差がつきやすい.
  • 英語はある年を境に超長文になり,設問も結構難しく,英語ができない種族である高専生にとっては差がつきやすい.
  • 傾斜配点ではなく,4科目それぞれ100点満点であるので何か1科目でもサボると痛い.

化学は捨てる人がたまにいるけど,やればとれるし,数・物をがんばるより化学をがんばった方が差をつけるための得点源になる!(∵ 伸びしろがあるから)

  

英語

 問題形式

長文2問構成.

長文を通して,英文和訳・和文英訳(英作文)・内容一致問題(T/F)・語彙問題に答えていく.

試験時間は90分である.

傾向

ある年(たぶん2011年度くらい)を境に超長文化している.さらに,内容も抽象的で難しくなってきている.編入試験の英語は大学入試の2次試験の傾向とほぼ同じ(2次試験では英作文だったのが編入試験では並び替えになっていたり,編入試験の方が若干難易度が落としてある)である.

対策

編入試験の英語の過去問は非公開で入手困難なので,赤本などの2次試験の過去問で対策するのが得策であろう. 

参考書ルート

①語彙力(英単語力)

②文法

③読解

④長文

⑤英作文・自由英作文

⑥過去問・赤本(2次試験の過去問)

 

数学

問題形式

微積分(or 微分方程式)2問,線形代数2問の4問構成.

傾向

  • 簡単な問題が多い.でも,たまーに難しい問題も出る.
  • 簡単な年と難しい年が交互に入れ替わっている(今年は例外的に簡単だった).
  • 線形代数で場合分けの問題がよく出題される.
  • 高校生が受ける大学入試の数学は試験時間が3時間,配点は300/750(40%,比重大)で難解であるのに対し,編入試験の数学は2時間で簡単...謎すぎる....たぶん,編入試験では基礎力を見ているのだと思う.

対策

  • 基礎の徹底.
  • 東工大特有の場合分けの問題に慣れること.過去問特訓の線形代数B問題に東工大の場合分けの問題がたくさん載っている.解法も参考になるのでやるべき.

参考書ルート 

①基礎固め

編入数学徹底研究―頻出問題と過去問題の演習

 

 

 

 

 

微積分・線形代数を,級数線形空間を除いて,すべてやるべき.

東工大対策

編入数学過去問特訓―入試問題による徹底演習 

 

 

 

東工大で出題された問題と出そうな問題だけでいいと思う.

 ③過去問演習

 

物理

問題形式

力学・電磁気学・熱力学 or 波動の3問構成.

大学で習う物理の範囲を中心に出題される.

傾向

昔は難しかったが,最近は簡単になってきており,基礎的な内容が問われる.だが,今年は最近の過去問の中でもズバ抜けて難しく,今後変わっていくかも.

対策

参考書ルート

①基礎固め

授業で使った教材とかノートとか.

②問題演習

③過去問演習

 

化学

問題形式

物理化学・有機化学無機化学(それぞれ主に大学化学)から6問構成.

傾向

  • 昨年まではほとんど大学化学であったが,今年は傾向が変わり,大学化学と高校化学が半分ずつになっていた.
  • 無機化学はほぼ高校化学で解ける.
  • 物質科の友人曰く,東工大化学はマニアックな問題が多い.
  • H24が激ムズらしい.

対策

東工大化学対策は多くの受験生が悩むところであり,「化学があるから」という理由で東工大受験をあきらめる高専生も少なくない.自分も当初その理由で悩んでた.

だが,化学に限って言えば,知識問題が多いため,勉強すればとれる科目です.対策のメインは過去問です.

僕自身の対策としては:

  1. マクマリー一般化学<上>,マクマリー有機化学概説,高校化学の参考書で知識を詰め込む.
  2. 過去問を”縦に”解く*1

参考書ルート

①大学受験用の参考書

②大学化学の参考書

③過去問(一番大事)

*1:「過去問を”縦に”解く」とは:年度ごとに解くのではなく,分野ごとに解くこと.僕は,物理化学(化学熱力学・結晶・酸化還元・量子化学・反応速度論),有機化学無機化学のように分けて解いていった.